3月ということもあり、求職希望者の方が増えています。ぼくの派遣事業所も、問い合わせが増加しています。
そういった中で、すぐにでも仕事を紹介できる人材がいらっしゃったんですね。
先月来られたAさんという男性(34歳)でフリーターをされている方なのですが、スキルに関しては特に問題はありません。パソコンを使え、過去に営業もされており紹介できる職場があったのです。
彼の場合、ちょうど病気で前職を辞めてフリーターをしつつ再起を願っていたところ。そのため、派遣事業としても応援したいと思ったのです。
ところが、フリーターであるにも関わらず、企業側との面談日程が埋めにくい状況が発生。
Aさんいわく
- バイト先のシフトが動かせない
- 勤務時間の都合で、先方企業の予定に合わせることができない
ということが起こりました。ふつうに考えればバイトを軽く放置して、正社員としての仕事面接を優先するものですが。
それがムリだと分かったのは、実はブラックバイトに、このAさんが陥っていることで判明したのです。
学生の間で問題になったブラックバイトは、30のフリーターにも起こるということ。この問題が、今月に入って解決したので方法論を書いておきます。
正社員のいない場所で、フリーターが正規雇用並みに働いてしまう
Aさんの問題はすぐにわかりました。飲食チェーン店の1つで働いており、ほぼバイトだけで回している職場だったんですね。正社員1名(店長)を中心に、他は非正規パートやバイトで埋めている状態。
必然的に、年齢が上になっていたAさんをバイトリーダーとして雇っていたということです。リーダー手当として、時給を100円多くもらっていたようで責任を感じていることがわかりました。
こうなると、フリーターでも正社員並みに責任を感じますよね。(100円で弱みを握ってるようで悪質だと思いますが)
彼のような「正社員になるために、面接に行きたい」という人でも休みが取りにくくなるわけですから。
すぐさま、当社のアドバイザーと対策を打ちバイトを抜ける手続きを取るように勧めました。
ここから、彼がブラックバイトを抜けた方法は3つあります。
① 客観的におかしいことを認識する
まずは、彼が洗脳に近い状態にあったことを認識してもらうことにしました。
「転職がしたいから派遣に来ました」と言っているAさんですが、いざ転職のお誘いをすると「バイトがあるので、その都合だとどうしても無理なのです」とふつうに返すんですね。
もちろん、こちらに申し訳ない気持ちで語っているのですが、彼はじぶんが置かれている状況を見失っていました。
ぼくもブラック企業で働いていた経験があるのでわかりましたが、明らかに客観性を見失っている状況です。「今いる場所の規則が絶対で、逆らえない」と思い込んでいたのです。
これは、丁寧に事実をお伝えして、「転職がしたい」という彼の気持ちを確認してもらいました。
「バイトが休めない」というのは、一般常識で考えればありえないのです。ここをお読みの方でも、正社員になりたいのに今の職場が時間を与えてくれないという状況があるかもしれません。
でも、今の職場ではどうあってもバイトしか席が無いことを客観的に考えるべきです。おかしいなと思えば、そこから動き始められるのですから。
(関連記事:人間関係でつまづいてしまいがちなフリーターに足りないモノ3つ)
② 「会社ルール」は、「法律とは別物」として行動してもらう
また、Aさんは「じぶんがバイトリーダーなので抜けてしまうと責任を問われる」と言っていました。バイトなんだから、仮にバックレしても大丈夫なんですけどね。
とはいえ、ぼくたち派遣会社が「バックレを示唆」というわけにはいきません。ぼく個人的には、バックレしてもいいと思っていますがww
Aさんの会社は、飲食チェーン店ではあるものの、ルールとしておかしなものがありました。ぼくらも聞いて驚いたんですけど・・。
「勝手な休暇や、無断欠勤は1日あたり3万円の損害賠償をする」
確かに、こんなのを事前に言われていたら正直なところ怖くて休めません。とんだブラックです。でも、これらはあくまで会社の勝手な言い分。
仮に勝手に休んだ、無断で欠勤したとしても法的な力はそこに介在しません。会社内のルールは作れても、法律まで会社で左右させることはできないのですから。
ましてや、バイトに過重な責任を押し付けて縛っている悪質な経営です。この場合は、仮に休んだとしても訴えられることは無いという話を聞いてもらいました。
こういうことを知った上で行動してもらわないと、ハラハラしたまま転職活動をすることになるからです。
派遣会社やエージェント会社は、こういう会社を絶対に扱いませんし許しません。社会的に悪質な企業は、長期的な目で見れば人を不幸にするからです。
③ 違法残業について指摘し、予定をあらかじめ埋めて面談に行ってもらう
これらを踏まえた上で、Aさんから「バイトを継続する意思がなく、早く正社員になりたい」という要望を会社に伝えてもらうことになりました。
仮に伝えられない人がいる場合は、労働局などに訴えれば代理で電話してもらうことなども可能です。角を立てないために、Aさんは一人で言えたようです。
彼の場合は、「本来なら定時で終わって帰れる時間に上がれていない」ということが常態化していました。そのため、面接にも行けないことを職場に伝えたようです。
そして、「面談に行くためには予定を空ける必要がある」と前もって、早退することを告げることができました。これで、彼は面談に進めたということです。
違法性を指摘された職場は、やはり正論で言われると返す言葉もなかったようです。
今までは、会社ルールでAさんを縛り付けていましたが、「バイトよりも正社員になる」という要望を飲まざるを得ないのは職場も理解していました。バイトを縛る権限など会社にないのですから。
もちろん、Aさんが正社員だったとしてもです。会社に縛られて転職できない方は、彼のケースを参考にしてみると良いでしょう。
ちなみに、彼は面談に行った後日に採用が決まりました。ちょっと不器用で気弱なところが見受けられるも、会社のために頑張ってくれる姿勢が伝わったからと企業さまから伝えられています。
このケースから「ブラックバイトは許してはいけない」と、改めて思わされました。
ちょうど転職シーズンですが、会社に縛られている方は毅然とした態度で、行動を起こして頂ければと思います。相談機関はありますし、派遣やエージェントも手助けしてくれるため悩みを抱え込まないことが大事なのです。
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