転職で得する人・損する人

ちょっと本のタイトルみたいですね。今日は、転職において得する人と損する人の話をします。結論から申し上げると、転職によって得をする人と損する人は必ずいます

なぜなら、会社というのは従業員がいてこそ成り立っているから。当たり前ですけどw

 

ただ会社といっても世の中には無数にありますよね。

「割のいい仕事もあれば、割に合わない仕事もある」と言われるように、雇用主も従業員も50%ずつの取り分で成り立ってる仕事って無いんですよ

 

この取り分が「労働に対しての対価」なのか、「働きやすい環境」なのか、それとも別の何かか。以前お話した、「転職と年収の関係」のように個人差で変わってきます。

このように、雇用の現場をトータルで見ると「得している人と損している人」が可視化されていくんですね。考え方の問題ですが、今お勤めの会社で「誰が得をしていると感じるか」を考えてみて下さい

毎日のように昼食をご馳走している社長は損?

ウチの事業所に来られた方で、「転職をしたいけど毎日のように社長に昼食をご馳走になっているから辞めにくい」という人がいました。

会社の前に定食屋があるそうで、「従業も3人と少ないので奢ってくれていた」とのこと。

 

ぼくは今の職場というか、自腹でしか食べた経験しかないので最初に聞いた時は素直に羨ましいなと思ったのですが。社長の気前の良さでご馳走されてるのかなと。

ところが、彼の話を聞いていると「残業が毎日のようにあって定時が18時なのにも関わらず、いつも2~3時間はサービスで働いている」と言います。

 

これを聞いて、得する人と損する人がくっきり分かれた会社だなと思いました。

社長は昼食をご馳走すると言っても、近所の定食屋レベル。社員も3人みんなご馳走と言っても、気を遣って安い料理を頼むに決まっています。一人1000円も使わないでしょうけれど、仮に1000円×3人に奢っても3000円。

この奢りがあるため、従業員も「世話になっている」と感じてサビ残に応じているわけなんですね。

 

でも毎日2~3時間サービス残業させられることを考えれば、昼食の3000円って安いんですよ。2~3時間の残業を、3人にさせるために3000円奢るならめっちゃお得!

従業員の時間給でいえば、こんな格安で雇える人材なんていないわけですから。奢ったことで社長はトータル得をしつつ、労働局にも訴えられにくい関係を美味しく作っていたわけです。

 

話を聞いていると、従業員にちょっとしたお土産とか、食べ物を外回りの最中に買ってくる社長であることもわかりました。人間味あふれているようで、計画的なものならこの社長は上手くやっているというわけです。

 

会社で「五分五分の関係」が成り立っているわけがない

この社長は分かりやすく「昼食というご馳走」を手渡して恩を売っていますが、実際には従業員が押し売りされた状況なわけです。

もちろん従業員から「ご馳走してもらってるし、少しの残業や頼まれごとなら頑張るぞ」と動いているなら話は別ですが・・。社長の「ご馳走してやる」をむげに断ることもできず損するループにいるのが実情です。

 

関係として見ると、社長と従業員の金銭的なやり取りが、グレーっぽく「昼食のご馳走」に置き換えられているわけです。ここを、損得で見るモノではないと言ってしまうとビジネスが破たんすると考えるべきでしょう。

少なくとも、社長が奢らなければいけない理由はありませんし、部下も奢られたからサビ残しなければいけない・・とはなりません。ただ、目に見えない損得取引が会社で行われているのは確かと言えます。

 

ぼくの見解は人によっては「ドライだなー」と思われるんですが。でも取引の内容が1000円のランチと2~3時間のサビ残では割に合わないと思うのがふつうですよ。

転職によって損得が出るのは、まさにこういうケースです。社長は昼食などを巧みに使って、人材を買い叩いているわけですね。

辞められると、毎日のサビ残のうま味を逃がすことになりますから。

 

だから奢って足止めしている可能性も捨てきれないと見た方が良いです。このブログの読者さんも職場を振り返って、「あ~・・なんかトータル損だな」と思うことがあるなら要注意。

必ずどちらかが得をして、片方が損をしていると思っておく方が良いです。

 

今回は、昼食とサビ残の関係をお金で換算してみたので分かりやすいたとえですが、実社会はもっと巧妙です。ちょっとしたことで、損得は揺れていますから。

逆に「給料は安いけど気楽に働けるしまあいいや」といった会社なら、本人が気楽に出来ているという得した実感があるかもしれませんね。それはそれでアリな環境だとも思います。

ただし、会社は怪しいかもしれませんw 中だるみが起こっていたり、生産性が落ちている職場の可能性もあるのでw 「五分五分は常に疑え!」という話でした。